大悲の御祖(弘法大師讃歌)

紀州高野山をはじめ、お大師様とご縁の深い霊場や足跡を辿らせて頂きますと、そのご苦労がひしひしと伝わってまいります。
どこへ行っても、「お大師様、お大師様」と言って、悩める多くの人々がお大師様の足跡を巡拝する姿を目の当たりにしますが、お大師様の御高徳の御光は広大無辺であり、まことに偉大と言わざるを得ません。
高野山に、そして各地の霊場にと、救いを求める人々の姿が絶えないのは、お大師様が、苦しむ人々の声に応えて、救済の利益を施していて下さるからであり、お大師様の救済の御光が、私たちの身の上に感化して、働いていて下さる何よりの証と言えましょう。
聖歌「大悲の御祖(みおや)」は、生き仏として今も苦しむ衆生と共に生きつづけ、大悲の御祖(みおや)として救いの御手を差しのべていて下さるお大師様のご苦労を偲びつつ、その広大無辺なる御高徳をたたえた弘法大師讃歌です。

作曲 大西良空