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あなたが進むべき最善の道



秋元康氏のエッセイ


平成24年(2012年)5月27日の読売新聞・日曜版に、「秋元康の1分後の昔話」と題する、作詞家・秋元康氏のエッセイが掲載されていました。

僕の話は比喩が多いらしい。そうしようと意識しているわけではないのだが、僕の会話の中には頻繁に例え話が出てくるそうだ。
 1日を振り返ってみると、仕事の打ち合わせも、スポーツジムでステレッチ中の雑談も、後輩の放送作家の恋愛相談も、妻と"なぜ、韓流ドラマやK-POPが受けるのか?"について激論している時も、確かに例え話を交えながら話している。
 作詞家という職業柄、五感に訴えるものをすぐに何かに例えたくなるのかもしれない。さらに自分の考えを少しでもわかりやすく説明したいという僕のサービス精神の顕れでもある。最近は、若いスタッフへの説教もいつのまにか例え話だらけだ。

「例えばさ、人生の好きな時代に戻れるとしたらいつがいいって聞くとするだろ?みんな、中学生に戻りたいとか、高校生の頃が一番楽しかったとか、大学時代が充実してたとか、答えるよね?
 でも、その頃のこと、ちゃんと思い出してごらん。当時は、それほど楽しくはなかったと思うよ。何か面白いことないかなあって言ってただろう?
 今だから思えるんだよ。ってことはさ、今、この瞬間も普通に時が流れていて退屈に見えるけど、10年後、20年後は、2012年のあの頃が一番楽しかった、2012年に戻りたいって言うんだよ」

「例えばさ、人生はデッサンみたいなものなんだ。そこにリンゴやバナナがあって、その静物画を描こうとする時、極細のペンで紙に直接描くのは難しいだろう?1回も間違えないように描き続けるのは至難の業だ。
 でも、柔らかい鉛筆で失敗してもいいから、何本もの線で描き続けようと思えば気が楽だろ?つまり、間違ったり、はみ出したり、失敗した分、次の修正の目安になるんだ」

「例えば、目の前に二つの道があるとするだろう?どっちに進もうか、間違えないように慎重に慎重に考える。親や先輩の意見を聞いたり、資料を集めたり、いろいろ準備して、これなら間違えないと思って、どちらかの道を選んだとしてやっぱり間違えるんだ。こっちじゃなかったと……。
 要するに、人間は間違いや失敗を必ずおかす。だから、二つの道があった時、考えるな。悩むな。
 まず、勘でとぢらかの道へ進めばいい。立ち止まっている時間がもったいないから。大切なのは、"間違えた"と気づいた時に元の場所まで戻ってくる力だ。若い時は、どんどん、道に迷え。迷走するうちに足腰が鍛えられて、間違った道なんかすぐに戻れるようになる」

普段、自分が言っている例え話を書き起こしてみて気づいた。理屈っぽいなあ。どういう風に理屈っぽいかと言うと、「例えば……」。


立ち止まるよりも行動を


秋元康氏と言えば、女性アイドルグループ「AKB48」と、その姉妹グループの総合プロデューサーとしても知られるお方で、書かれている事にいちいち納得しながら、楽しく読ませて頂きましたが、この中にある三番目の例え話、つまり、目の前に二つの道がある時、どちらに進むべきかという問題について……。

人は誰でも幸せになりたいと願っています。私達は、例えれば、幸せの青い鳥を探しに出かけたチルチルとミチルです。チルチルとミチルは、探していた青い鳥に無事出会えましたが、皆さんは、いかがでしょうか。もう青い鳥に出会えましたか。

旅の途中で、道が二つに分かれていたら、どうすべきか。

これは、生きていく上において、誰もが直面する悩ましい問題です。進学、就職、結婚をはじめ、様々な場面でこの難問を突きつけられ、立ち往生した経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。

どちらの道を行けば、幸せの青い鳥に出会えるのか。先の見えない私達に分る筈もありませんが、そこに立ち止まる事もできず、熟慮に熟慮を重ねた結果、どちらかの道へ進むことになる訳ですが、ここで頼れるのは、秋元氏が言われるように、「勘」しかありません。

自分の「勘」を信じて、一か八かの賭けに出るしかない訳ですが、賭けですから、当る事もあれば、外れる事もあります。そして、恐らく、大半の人が、賭けに敗れるのではないでしょうか。

何故なら、秋元氏もおっしゃっておられるように、人間は間違いや失敗を必ずおかす者であり、先の見えない私達が、間違いのない選択をする確率は、ゼロではないにしても、限りなくゼロに近いからです。

失敗する事を前提とするなら、私達が考えておくべき事は、一つしかありません。それは、賭けに敗れた時、どうすべきかという事です。

秋元氏は、間違ったと気づいた時は、速やかに元の場所へ戻れるよう、若い内から力を養っておくことが大切であり、その為には、失敗を恐れず、道に迷う中で足腰を鍛えておかなければいけないとおっしゃっておられますが、失敗を恐れて何もしないより、失敗してもいいから行動してみる方がよいと、私も思います。


幸せの青い鳥はどこにいるのか?


しかし、行動するに当って、「勘」だけを頼りに、「一か八かの賭け」に出る事は、若い内ならともかく、年齢を重ねてきた者には、中々できる事ではありません。

そうかと言って、占いや霊感に頼る事にも躊躇せざるを得ません。世間には、進むべき道に迷った時、占いや霊感に判断を求める人々が大勢いますが、占いや霊感に頼っていては益々迷いを深めるだけであって、真の解決にはなりません。

何故なら、占いや霊感による判断は、いずれも、探し求める幸せの青い鳥が、目の前にある二つの道のどちらかにいる事を前提としているからです。

しかし、実を言いますと、私達が探し求める青い鳥は、二つの道のどちらにもいないのです。

どういう事かと言いますと、例えば、二人の男性(A氏とB氏)が、あなたに求婚しているとしましょう。

あなたは、どちらの男性と結婚した方が幸せになれるか、様々な意見や資料を参考にして、自分なりの答えを出さなければなりませんが、この場合、あなたが取るべき選択肢は、三つあります。

一つは、A氏と結婚する道、一つはB氏と結婚する道、もう一つは、どちらとも結婚しない道です。

結婚というあなたの一生を左右するほどの大問題を、「勘」や「一か八かの賭け」で決める事は出来ませんし、かと言って、当てにならない占いや霊感に頼ることもできません。では、どうすればいいのか。

その答えは、先ほどお話した、「幸せの青い鳥は、二つの道のどちらにもいない」という言葉の中にあります。

つまり、あなたに求婚している二人の男性は、どちらもあなたに幸せを運んでくれる青い鳥ではないという事です。

では、青い鳥は、どこにいるのでしょうか。その鳥は、あなたの最も身近にいます。もうお分かりですね。あなたが探し求める幸せの青い鳥は、あなた自身の内にいるのです。

この大前提に立った時、初めて、あなたがこれから取るべき行動が、ハッキリ見えてきます。


変らなければならないあなた


幸せを運ぶ青い鳥は、あなた自身の内にいると言いましたが、そう聞けば、青い鳥は、いつでも簡単に見つけ出せそうに思えますね。

しかし、あなたの内にいるにも拘らず、青い鳥を見つけ出すのは、そう容易ではありません。何故なら、青い鳥を見つけ出そうとするあなたの行く手を阻んでいるものがあるからです。

それは、あなたが背負っている因縁です。

菩薩様は、『道歌集』の中で、
  人の世は 前生(ぜんしょう)の因縁あればこそ
    善悪縁起(えんぎ)で 泣き笑いする
  人の世は 付かれる因縁付く因縁
    みんな前生の 因縁なりけり
 と詠っておられますが、あなたが過去に作ってきた様々な因縁は、あなたがゆく所へどこまでも付いてきます。あなたが右の道へ行けば右へ、左の道を選べば左へ付いてくるのです。

あなたが、どちらの男性と結婚しようが、その因縁は、あなたの後を追って、どこまでも付いてきますから、あなたの将来は、あなたがどちらの男性を選ぶかではなく、あなたが背負う因縁にかかっています。

つまり、あなたが不幸になる因縁を背負っていれば、A氏と結婚しても、B氏と結婚しても、あなたが不幸になる可能性は非常に高いという事です。では、どうすればよいのか。

先ほど、あなたが取るべき道は、三つあると言いましたが、実は、もう一つある事にお気づきでしょうか。

それは、あなたが背負っている因縁を、あなた自身の手で解いてゆく道です。

因縁とは、いかなる結果にも、必ず原因(因)と条件(縁)があるというこの世の真理を現す言葉で、例えば、庭に一粒の種を蒔けば、雨や風や太陽や様々な縁(条件)が加わって花が咲き、実を結ぶように、物事には、必ずそうなる原因と条件、つまり因縁(理由)があるという事です。

これを、因縁生起(いんねんしょうき)─縁起(えんぎ)と言いますが、一粒の種を、机の上に蒔いても、花は咲きません。これは、種を蒔くという原因はあっても、花が咲く為の条件が欠けているからです。梅の木から桜の花が咲かないのも、梅の木から桜が咲くという因縁はないからです。

このように、因縁とは、本来、物事の在り様、存在理由を現す言葉で、そこに善悪の概念はありません。種を蒔けば、芽生え、花を咲かせ、実を結のは、善でも悪でもなく、それが種の在り様だからです。

そこに善悪の概念が生まれるのは、人間の行為においてです。

人の誕生は、善でも悪でもなく、それらを超越した命の営みです。しかし、人が生きていく過程で、様々な善悪を重ねれば、蒔かれた善悪の種は、様々な縁(条件)と結合して、幸不幸という果実をもたらします。

この果実が、自分に幸せをもたらす果実なら問題ありませんが、好ましくない結果をもたらす果実なら、幸せをもたらす果実に変えなければなりません。それが、「因縁を解く」という意味です。

例えば、渋柿は、何もしなければ渋柿のままですが、皮をむき、日光にあて、寒風にさらせば、甘柿に変わるように、不幸をもたらす因縁であっても、その因縁を解く事が出来れば、幸せをもたらす因縁に変える事が出来るのです。

先の例で言えば、たとえあなたが不幸になる因縁を背負っていても、その因縁を解く事が出来れば、A氏と結婚しても、B氏と結婚しても、あなたの未来には幸せが約束されているという事です。

あなたにとって大切な事は、二つ道のどちらに甘柿があるか、どちらの男性と結婚した方が幸せになれるかではなく、いま自分が、渋柿を甘柿に変える力(智慧)を持っているか、因縁を解く力を身につけているかという事です。

その力を身につければ、もうどちらの道へ進むべきか、どちらの男性と結婚すべきか、迷うことはありません。あなたには、すでに渋柿を甘柿に変える力が備わっていますから、どちらの道を選んでも、どちらの男性を選んでも、どのような因縁を背負っていても、あなたの未来には、明るい希望の灯が灯ることは間違いありません。

しかし、まだその力を身につけていなければ、どちらの道を選んでも、どちらの男性を選んでも、あなたの未来には不安がつきまとうでしょう。

もし、いまあなたが、A氏と結婚するか、B氏と結婚するかを、自ら決めかねているのであれば、あなたには、まだ渋柿を甘柿に変える力が身についていないという事です。ですから、一刻も早く渋柿を甘柿に変える力(智慧)を身につけなければなりません。

あなたは、背負っている因縁を解ける人間に、生まれ変わらなければいけないのです。あなたが生まれ変われば、もう青い鳥を探す必要はありません。

あなた自身が、青い鳥なのですから、あなたが右へ行けば右へ、左へ行けば左へ、青い鳥は付いてきます。もはやそこには、あなたを迷わせる道はありません。


狂いのない人生へ


秋元氏は、「道を間違えたと思ったら、元の場所へ引き返せばいい」とおっしゃっておられますが、先ほどもお話したように、幸せの青い鳥は、どちらの道にもいませんから、元の場所へ引き返しても、意味がありません。

あなたが道を間違えたと思うのは、もう一方の道の方がよかったと、後悔しているからでしょうが、道を間違えたのではありません。あなたの手で自ら背負う因縁を解く時期、つまり、生まれ変わる時期がきているのです。

変わらなければいけないのは、歩く道ではなく、あなた自身です。あなたが変わらなければ、たとえもう一方の道を選んだとしても、やはりいつかきっと道を間違えたと後悔するでしょう。

あなたの幸せは、あなたがどちらの道を選ぶかではなく、あなた自身が生まれ変われるか否か、あなたの内なる青い鳥を見つけ出せるか否か、渋柿を甘柿に変える力(智慧)を身につけられるか否かにかかっています。

その力(智慧)を身につける事が出来れば、もう二度と道を間違える事はありません。無論そこには、「勘」も「一か八かの賭け」もありません。

あるのは、あなたの内なる青い鳥の声だけです。その声が、あなたの進むべき道を指し示してくれるでしょう。あなたは、ただその声の命ずるままに進めばよいのです。それが、あなたにとって狂いのない最善の道なのですから…。

合掌

平成24年6月4日

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